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    〇未来への追憶 HAPPY SAD


     HAPPY SADの音楽について、既視感の文脈で(あ、どっかで聞いたことあるカンジ!とか)語るのはとても面白いことです。引き合いに出すアーティストによっては聞き手のセンスも試されます。

    それも含めてですが、彼らのサウンドに接するたびに、それが「問いかけ」に聞こえてくることがあります。電車の中とかでも、「あれ、こんなはずだっけ」とか、何となくそんな気分の時にHAPPY SADのプレイリストを選んでしまいます。 それは彼らの音楽のコアにある、都会の営みに投げかけたヒューマンな視線と、肩肘張らない程度に肯定される感じが心地いいからです。

     

    2008年のアルバム「FEEL LIKE HAPPY SAD」 に初めて接したときのインパクトは今も鮮烈によみがえります。ヘヴィでドラマチックなワルツ「種蒔く人 / (英題:The Seeker)」でキックオフするこの作品群は、誰もが日常にふと感じる光や影、喜びや悲しみを、際立つメロディと、丹念に構築されたアレンジで追体験させてくれる短編小説集です。

    かなり偏った理屈屋のリスナーである自分も、瞬く間にHAPPY SADの世界観に「翻弄されて」しまいました。白状すると、まず連想したのが、Todd Rundgrenの「Something /Anything」だったのですが、その理由は、多重録音という環境で、希有のメロディメーカーが葛藤の末に醸し出す一種のナイーブさ、ストイックさ、だったことも付け加えておきましょう。未聴の方は、ダウンロードして是非経験してみてください。


    あなたが今、耳をかたむけている(あるいはそうしようとしている) 「Lily」の 2テイクは、2010年リリースのアルバム「FREE MIND,MELLOW MIND」のオープニングナンバーの最新バージョンです。

    愛する人と過ごした時間を意味あるものとしてもう一度受け止めよう、リグレットな感じも全然悪くないよ、と、ともすれば刹那の感情にふけりがちなシナリオが新たな方向へ導かれます。きわめつけにヘブンリーな旋律に心奪われるキラーチューンのひとつであることに間違いなく、かつてのアルバムテイクに、確かな手触りと躍動感が加わりました。パディ・マクアルーンの才気が瑞々しい初期のPrefab Sprout を自分は思い起こしましたね。

     

    この夏には新たなメンバー構成でライブ活動も再開しました。ステージではさらにエモーショナルでエッジの効いた HAPPY SADが楽しめるはず。そして出番がハネた後、カウンターとかで彼らがビールを飲んでたら、声をかけてみてください。基本、シャイな連中ですが、大好きなアーティストの話をネタに、ハッピーでファニーで、少しだけシリアスな時間を楽しめることでしょう。
    HAPPY SAD が描き出す追憶の情景は、違った明日を予感させてくれるのです。

    Sep. 3, 2012
    Jeffrey Yamada

    [ライナーノーツ] 文:Jeffrey yamada

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    Jeffrey Yamada プロフィール

     

    音楽ライター、翻訳者、通訳。ルーツミュージックからR&B、パンクまで「社会の必然(と偶然)」から生まれた音楽とその背景についての探求をテーマとして活動を続ける。過去の出稿は「アコースティックギターミュージック名盤350」(音楽出版社)、「モンドミュージック」(アスペクト)、「アートオブフォーキーズ」(音楽之友)、「Martin D-28という伝説」(えい出版)、「ロバート・フィリップ」(宝島)など。

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    透明な心象風景を歌った楽曲「Lily」。 2012年再録音。

    ニールヤングの名曲「Heart of gold」のカバーを含むシングル。

     

    「Lily (2012version)」     2012.9.29 out

     

    1.Lily (2012 single version)

    2.Lily (Acoustic version)

    3.Heart of gold  (written by Neil Young)

    © SILVER FIDDLE MUSIC

    Lily (2012version)